発作(疑惑……刑事のカン)

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豊がドアを開けて外に出る。 『ブーンブーン……』 耳鳴りがする。 突然、豊の視界がグルグル回りだす。 『はっ、は……』 (胸が苦しい……) 発作が起きる。 豊は顔面が雪のように真っ白。 「お兄ちゃん、しっかり……」 待機していた救急隊員が、駆け付ける。 豊は救急車に運びこまれて志木救急病院へ。 刑事は仮病ではと疑惑を抱いた。 しかし病院側の診断の結果、完治するには本人の協力のもと、5、6年はかかるという診断に引き下がった。 俺の刑事のカンは黒だと…… (5、6年もすれば、奴も油断するだろう。 必ず追い詰めてやる) 望月刑事は蛇のような執念深い目で、虚空に視線を漂わせていた。
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