18人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
豊がドアを開けて外に出る。
『ブーンブーン……』
耳鳴りがする。
突然、豊の視界がグルグル回りだす。
『はっ、は……』
(胸が苦しい……)
発作が起きる。
豊は顔面が雪のように真っ白。
「お兄ちゃん、しっかり……」
待機していた救急隊員が、駆け付ける。
豊は救急車に運びこまれて志木救急病院へ。
刑事は仮病ではと疑惑を抱いた。
しかし病院側の診断の結果、完治するには本人の協力のもと、5、6年はかかるという診断に引き下がった。
俺の刑事のカンは黒だと……
(5、6年もすれば、奴も油断するだろう。
必ず追い詰めてやる)
望月刑事は蛇のような執念深い目で、虚空に視線を漂わせていた。
最初のコメントを投稿しよう!