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「犯人は長男だって。
回りの人達が、ひそひそ話しているのを聞いたわ」
亜紀が小走りに真由美に近づいて囁く。
「そんな事は、絶対に無い!」
真由美は甲高い声で叫んだ。
「真由美。
興奮しないでよ。どうしたの?」
亜紀がビックリして呟いた。
「長男って言うのが豊お兄ちゃんなのよ」
「えっ!?」
亜紀が絶句する。
「亜紀。
今日は帰って……もうすでに警察も動いているかも、あたしが警察に説明しなきゃ」
真由美が、少し愁いを含んだような表情で言った。
「わかったわ」
亜紀が納得したようにこくりと頷く。
「真由美。なにかあったら電話ちょうだいね」
と顔を少し曇らせながらそう言って、引き返へして行く。
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