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「カコーン」
ハローワークの帰り道、道端の空き缶を蹴り飛ばした。
空き缶は思ったような弧を描かず、コンビニの入口に転がった。
ちょうど、コンビニから出てきたパンチパーマのオバさんが怪訝な顔でこちらを見る。
「こっち見んじゃねぇよ!ババア!」実際には口には出さず、心の中で毒を吐いた。
ババアはこちらを少し見たが、すぐにチンタラした足取りでこちらに背を向け歩き出した。
転がった空き缶を少し見つめた後、空を仰いだ。
夏の日差しは容赦なく照りつけ、セミ時雨で耳の中がいっぱいになる。
汗が身体を伝い、身体は湿っていた。早く帰って麦茶でも飲もう。
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