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……なんで?
蛇の身体に、3人の身体のあとが浮き出ている。
それを見て、泣きたくなった。
今すぐ、蛇の身体を裂くことができれば、もしかしたら3人を助けられるのではないか。
そんなこと、思うだけで実行できるわけがない。
ふと、階段の下に転がっているあずなの姿が目に入った。
あらぬ方向に首が曲がっている。
作り物の宝石みたいな目から涙がこぼれたあとがあった。
……一瞬にして、みんな、死んでしまった。
私も死ぬんだ。
再びパンツのなかが温かくなる。
蛇の顔が近づいてくる。
私は強く瞼を閉じた。
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