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「お前はどこかに属しているのか」
どうせどこにも属していないだろうと、その瞳が言っていた。
──ギルドに所属するというのは、それなりの実力者であることを示している。弱小ギルドではあまり意味がないが、有名ギルドともなればその実力は保証されたも同然である。
所属ギルドを隠す必要はない。ギルドカードを“ボックス”から取りだし、自分より幾分か年上である女性に差し出す。
片眉を上げて彼女がカードを受けとると、リューティスは解体作業を再開させた。
「“月の光”だと……!?」
彼女の呟きは無視だ。構ってなどいられない。早く解体して帰らなければ、そろそろ血の臭いに誘われて魔物がやってくる。
「ランクA……? 氷、植物、……植物っ!? 特別じゃねぇかよ! ……水、火。属性四つもあんのかよ……」
全てを解体し終えると、布で肉を包み、魔法で毛皮を綺麗にしてから、“ボックス”に放り入れる。
「カード返してください」
「え、……あ、あぁ」
狼狽した様子の女性から返してもらったカードを“ボックス”の中に仕舞い込むと立ち上がる。
「急いでこの場から離れますよ」
「──……はっ!? 何でお前なんぞに従わなきゃなんない?」
歩き出したリューティスの背からかけられた言葉に、思わず顔をしかめた。置いていこうか、と思ってしまったのは、自分の性格が悪いせいではないと思いたい。
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