十二章 次の街へ
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「……リュース」 ハンカチを受け取った彼は、それで顔をぬぐった。涙を拭い去った彼は、立ち上がる。 リューティスも立ち上がって、膝を払った。そして踵を返す。振り返ることはしない。 「行きましょうか、フィー」 「あぁ。……リュース、敬語」 ──すっかり忘れていた。リューティスは苦笑しながら、こちらを見て静かに待つ角と翼を持つ純白の馬へ駆け寄った。 .
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