十二章 次の街へ

26/26
48739人が本棚に入れています
本棚に追加
/1502ページ
  「……リュース」  ハンカチを受け取った彼は、それで顔をぬぐった。涙を拭い去った彼は、立ち上がる。  リューティスも立ち上がって、膝を払った。そして踵を返す。振り返ることはしない。 「行きましょうか、フィー」 「あぁ。……リュース、敬語」  ──すっかり忘れていた。リューティスは苦笑しながら、こちらを見て静かに待つ角と翼を持つ純白の馬へ駆け寄った。 .
/1502ページ

最初のコメントを投稿しよう!