三章 村祭と水神様

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   リューティスは時属性と空間属性という属性を持っている。その名の通り、時を操る属性と空間を操る属性である。火や水といった普通属性や、普通属性から進化したり派生したりしたとされている進化属性・派属性とは異なり、持っていることすら珍しく、強力な属性である。  進化属性や派属性と呼ばれる属性も、珍しくはある。しかし、その基本となる属性──例えば、氷属性という進化属性もしくは派属性ならば、水属性──を持っていれば、努力次第で習得が可能なのだ。  例外として生まれつき持っている者もおり、リューティスの氷属性もこれにあたる。  閑話休題。  しかしながら、時属性と空間属性の魔法は消費する魔力量がとてつもなく多く、リューティスは滅多に使うことがない。だが、時属性魔法はそれを使う空間を自ら作り出し、そしてその空間のみに範囲を限って使うならば、それほど膨大な魔力を必要としない。  それでも消費する魔力量は一般的な魔法と比べて明らかに多く、そう頻繁に使用できる魔法ではないのだ。  リューティスの“ボックス”は、通常使われている無属性の中級魔法ではない。その元となった空間属性の“亜空間作成”である。   この魔法も無論、膨大な魔力を消費する魔法であるが、一度作ればその空間は半永久的に保たれる。 ボックス魔法とは違い、使用者が死した時に中身が外に出てくることもない。  似ているようで異なるこの魔法は、魔法を保たせるために常に魔力の供給が行われる“ボックス”に反して、作成時以降、魔力が要らないのだ。 .
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