三十八章 手合わせ

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  『数時間すれば治りますから、大丈夫です。下手に魔法で治そうといたしますと、組織が弱くなってしまいますから』 「で、ですが……、会話に困るでしょう」 『問題ありません』  先程と同じ要領で宙に文字を書けば、ローザンは大きく息を吐き出して呆れたような視線をこちらに向けた。 「魔方陣魔法技術……、正しく才能の無駄遣いですね」 『……便利ですよ』  否定はできない。目をそらせば、彼が笑う声が聞こえてきて、視線を戻す。肩を震わせて笑いを堪える様子に、リューティスは再び目をそらしたのだった。 .
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