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いや、と左右に首を振って景紀はその考えを一旦消し去った。
好きになれるか、なんて頭で考えるものじゃない。
これから一緒にいる時間を少しずつ重ねていきながら出す答え。
ひとまず拓人とそういう関係になる事は阻止したし、と少しほっとしながらバスタブからあがり、水滴はタオルで拭いながら”失恋には新しい女性”と思い、ふと気付いた。
真由に追い出された時、情けない気分にはなったのに悲しいという感情はなかった。
カフェで話し合った時にも正直どうでも良くなっていた。
朝陽が仲直り出来れば良いのに、と言ったから話し合ってはみたものの、そういう気分でもなかったし、拓人と去って行く朝陽の方が気になっていた上に、朝陽の髪にキスをした拓人に苛立った。
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