優しい嘘

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「あの拓人って人は彼氏なの?」 「ううん、違う」 彼氏ではない男の香りをその体からさせているのは何故だと考える程子供でもない。体だけの関係なんだろう、と思い、それ以上は聞かない事にした。ただ一言だけ 「朝陽さん、もっと自分の事大事にしなよ」 そう言った。朝陽は少し寂しそうな顔で微笑んで『ありがとう』と景紀にお礼を言う。景紀はその表情を見て、何となく自分が朝陽を傷つけたと感じた。 それで思わず焦って 「でも、俺のために嘘ついてくれてありがとう」 「ううん、仲直り出来たらと思ったんだけど」 「一度ヒビが入ると難しいっぽい」
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