優しい嘘

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拓人はじっと景紀を見て、おもむろに肩を抱いて『時間あるだろ?飲みに来いよ』と、自分の店に強引に連れて行く。 景紀は訳が分からないままマンションに近い場所にあるバーへと連れて来られ、まだオープンもしていないのに、と思っていると拓人が鍵を出して店のドアを開ける。 景紀はそれを見てバーのオーナーなのか?と思いながらおそるおそる店内に足を踏み入れた。 「心配しなくても普通のバーだ、そこに座れよ」 拓人がカウンター席を指差し、グラスとボトルを持って景紀の横に座る。 琥珀色の液体を注ぎながら 「あ、俺拓人な、この間会っただろ?」 「坂本景紀です」 「そんなに警戒すんなよ。少し話がしたいだけだからさ」 「話、ですか?」
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