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手元から視線を女の子に移すと、そこには先ほどまでいた人物はいなかった。
いたのは、見知った黒髪の、地味だけれど瞳のパッチリとした彼女だった。
「ごめんなさい・・・、電車が遅れちゃって・・・・・・」
少し息を切らせて、申し訳なさそうにする彼女とは逆に、
恥ずかしくも、涙目になって、
「ケータイもてよ」と僕は笑った。
それはある冬の日の三分間のきまぐれな出会い。
永遠なんてわからない、
けれど、しっかりと今でも覚えている。
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