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「は?なんでだよ」
「ーー・・・オレ彼氏いる」
指輪を見せると。
一瞬目を見張って。
次の瞬間には。
「奪う」
「は?」
「俺のがいい男だって認めさせてやる」
絶対にあり得ねー。
ヤスに、こいつが勝てるわけねぇ。
さすがに可哀想だから言わねーけど。
「絶対に奪う」
そう言って、つかつかと歩み寄ってきて。
肩をグッと掴んだかと思うと。
顔が近づいてくる。
「ぅ、げほ」
鳩尾に膝をいれて。
すぐに距離をとる。
「いって、」
「ーー・・・弱いやつは、好きになんねぇ
だから諦めろ」
別にそんなこだわりはないけど。
諦めてもらわなくちゃいけねーから。
うずくまるそいつをそのまま放置して、ランニングに戻る。
「ーー・・・かっけぇー」
そいつが、益々熱のこもった目で見つめているとも知らずに。
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