陽が昇る

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山吹 隆正 好きな人に想いが伝わり、受け入れてもらえた日に死ねと言われる、そんな今日はサラダ記念日。(まとまらず) 思いの外あっさりと受け入れて貰えたことに喜びも束の間、一足跳びに急展開しそうな雰囲気にテンパる。 「心も身体も準備万端にしてから言わんかい!」 なんて身も蓋もなく刺激的な事を言われてサウナばりの汗がどっと噴き出した。 と、ぶんむくれている椿くんが手にしたバラを見て目を見開いた。 「ああ…これプリザーブドフラワーって言うんですって。 生の花を加工した『枯れないお花』らしいですよ。 佑ちゃんが特別な花を用意したるって言うてくれはって…って、どうしました?」 口元を腕で隠して耳まで真っ赤になった椿くんが俯いとる。 「佑介に聞いたんか」 「え?何が?」 「…っ、何もないっ!」 「何か気に障りました…?」 「何もないっっ!!」 佑介め…と小声でぶつぶつ言うとる椿君に首を傾げつつも足早に店を後にした。
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