陽が昇る

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青田 祥 「んと、小銭…あれ、あれ?財布…」 仕事あがりに喉が乾いて、ジュースでも買おうと向かいのビルの1階に設置された自販機の前で佇む。 お財布あらへん。 そんな拓海君みたいなこと!! 「あ…お財布もしかして、」 Honeysに忘れてきたかも、と思い当たった瞬間、後ろから長い手が伸びてきてコイン投入口にチャリンと小銭が吸い込まれた。 「あっ、すいません!」 慌てて避けようとして振り向くと、頭1つ分高い位置に男前が優しく微笑んで立っていた。 「ユキ、」 「何飲むん?」 「あ、えと、イチゴミルク…」 「んふふ、相変わらず甘いかわいらしいん好きやなぁ」 「…!!」 ガタンと音をたてて落ちてきたミルクティーを俺の背中越しに腕を回して取り出し俺の顔を覗き込むユキ。 「祥ちゃん?」 「……思い出したん?」 「え?」 二人の間に無言の時が一瞬流れた。 「相変わらず、って。」 「? 祥ちゃんイチゴ大好きやろ? 知っとるよ? 今年も誕生日にイチゴのケーキ作ったるから「そうやなくて」…え?」
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