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「…って、思てたけど。
ユキが隣におったらずっと笑顔でおれるで。」
「!!それって」
「あとはー?」
「おぅふ…」
なかなかの小悪魔なんすけど、翻弄されてんすけど、何かそれも悪くない(何かに目覚めそう)。
明らかに祥ちゃんは何かを待っとる。
確信つく俺の言葉を待っとる。
しかも期待させるよなこの雰囲気。
即シャットアウトしないんやから、俺の頑張り次第ではイケるんちゃうかって思う。
だって俺の事好きでしょ?
さっきから財布を握り締める手が震えてる。
「男同士やけど。俺を好きになったことを後悔させへん。」
祥ちゃんは目を見開いて真っ赤になった。
「おいしいご飯もスイーツも作るで!」
だめ押しとばかりに畳み掛ける。
何かショボいオプションやけど。
「…マカロンも…?」
「もちろん!」
あれ、でも何で俺がマカロン作れる事知っとるんやろ。
「………合格」
「えっ」
何かジワジワと思い出しそうやった。
瞬間チカッと何かが光ったような気がして、全身の毛が総毛立つ。
そしてそこからあの夏の日の事が一気に蘇る。
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