陽が昇る

23/23
259人が本棚に入れています
本棚に追加
/166ページ
「…って、思てたけど。 ユキが隣におったらずっと笑顔でおれるで。」 「!!それって」 「あとはー?」 「おぅふ…」 なかなかの小悪魔なんすけど、翻弄されてんすけど、何かそれも悪くない(何かに目覚めそう)。 明らかに祥ちゃんは何かを待っとる。 確信つく俺の言葉を待っとる。 しかも期待させるよなこの雰囲気。 即シャットアウトしないんやから、俺の頑張り次第ではイケるんちゃうかって思う。 だって俺の事好きでしょ? さっきから財布を握り締める手が震えてる。 「男同士やけど。俺を好きになったことを後悔させへん。」 祥ちゃんは目を見開いて真っ赤になった。 「おいしいご飯もスイーツも作るで!」 だめ押しとばかりに畳み掛ける。 何かショボいオプションやけど。 「…マカロンも…?」 「もちろん!」 あれ、でも何で俺がマカロン作れる事知っとるんやろ。 「………合格」 「えっ」 何かジワジワと思い出しそうやった。 瞬間チカッと何かが光ったような気がして、全身の毛が総毛立つ。 そしてそこからあの夏の日の事が一気に蘇る。
/166ページ

最初のコメントを投稿しよう!