Boys be ambitious!

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いっぱい悩んで結局選んだのは真っ赤なイチゴがたくさん乗ったタルト。 お会計の時にタルトの入った小さな箱とは別に、こっそり渡された小さな紙袋。 不思議に思って首を傾げた。 「割れて売りもんにならなくなったやつ。 いつもは俺のおやつになったりするんやけどな。 君、好きやろ? いつもアレ見とるもんな。」 中には端が少し欠けたりヒビが入ったりしとるパステルカラーのマカロン。 「こんなことしたら店長さんに怒られへん…?」 小さな声でおずおずと聞くとなぜか子供にするみたいに頭をポンポンされた。 「その店長が君に、て言うてるんよ。 毎日来てくれてるの知っとるから。 そういうの、嬉しいもんやねんで?」 店長さんにまでバレてたなんて更に恥ずかしかったけど、それ以上に素直に嬉しかった。 カウンター奥の厨房に続くドアの窓越しに目が合った店長さんが、ニヤリと口の端で笑った。 大人やなぁ。 ここはひとつ子供らしく甘えとこ。 俺もいつかはあんなカッコいい大人の男になるんや。 そう心に決めて他のお客さんにわからんように小さくペコリと頭を下げて店を出た。
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