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目眩するよな地獄の『男の娘プレイ』はその後も強制的に数回に渡って行われる事になる。
そのお陰か否かHoneysが開店する頃にはやっぱりあの時のお兄さんやと確認できたものの店に行けずにいた俺は、隆正に誘われチャンスと思った。
そしてまんまとお兄さんこと大隈行成に女子として認識されとった。
まさか買い物のフリして様子を見てこいと蹴り出されたあの日に、女装姿を見られてたなんて知らんかったから冷や汗がどっと出た。
人違いと言い切って強引に話題を終わらせたんやけど。
その後、実は彼は年下やったとかビックリする事もあったけど。
徐々に。
徐々にキョリを詰めてきたつもり。
いつしかそれが恋心だと気付いた時は狼狽える俺を余所に島やんは事も無げに「何を今更」と言うた。
佑介には何となく言いにくかった。
こんな俺の事知っても蔑んだりせぇへんやろけど、何か…シバきそうやし。
佑介は勘がええからな、と言う島やんに頷く。
友達想いで不器用やけど俺の事大事にしてくれる佑介に心配かけたくなかったのかもしれん。
成就する見込みのない俺の恋を一番心配するに決まっとるから。
それでも。
大好きな人達に囲まれて幸せやなぁと思う。
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