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大隈 行成
そう言えば栄斗町8丁目商店街はあの叔父さんの店の商店街に似とる。
だからこそ興味本意で踏み入れてあの空き店舗を見つけたんや。
俺のルーツ。
そこから祥ちゃんが絡んでいたなんて、何で忘れてたんやろ。
思い出した。
思い出した!全て。
あの日のくしゃっとした笑顔。
顔も忘れてしまったと思ってた。
でも今目の前におる祥ちゃんの顔、間違いない。
あの年のあの夏に出会ったかわいい少年の姿とかちりと重なった。
胸がいっぱいで声が出てこない。
なのに。
「子供やと思うとった…」
ようやく出てきたのはそんな気の利かない台詞。
「俺やってユキの事、大学生位かと思っとった。
子供扱いされとったしぃ。」
そう言うてちょっぴり膨れた。
でも次の瞬間には柔らかな笑顔になる。
「俺が先に『見つけた』んやで。ユキの事。」
考えるより先に体が動いた。
手が祥ちゃんの頭を引き寄せ、笑みをたたえる祥ちゃんに唇を重ねていた。
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