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手のひらに納まる程のその小箱を見て椿君以外の皆がそろりと後ろに下がった。
ずっとスン顔をキメていた椿君ですら大きな目を見開いて子犬のような表情で山ちゃんを見上げた。
(プ、プロポーズや…)
どないしよ、俺達ジャマやない?と彰ちゃんがヒソヒソと耳打ちしてきた。
しかしその目はキラキラしている。
その場を離れる事もできずに俺達は固唾をのんで見守った。
「これを僕だと思って肌身離さず持っていて欲しい。
僕の気持ちはいつでもあなたと共に…」
少し震える手で椿君はうつむきがちで受け取った。
開ける瞬間チラッと山ちゃんを見上げ、山ちゃんは頷いた。
「俺の大事な…」
パカッ
「へその緒」
「ギャーー!!」
う そ や ろ !!
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