旅立ち

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黒崎 拓海 「信じられへん!何考えてんの!」 彰が見たことないほどに怒っている。 「片時も離れへんよって、いつも一緒やでって…」 「指輪やろそこはぁ!!」 「いやいや! 俺は指輪贈りたかったで!? でも指輪なんて贈ったら気持ちが重いかもしれへんやん! 重荷になるかもしれへんやん?」 「『やん?』ちゃうわ! 内臓贈りつける方がどうかしてるやろ!」 「内臓ちゃうし!オモテに出てるものやし、これを俺やと思って、」 「キショイわ!」 期待して損した!と叫んで憤慨する彰をもう誰も止めなかった。 自分の事でもないのにお前が何を期待してたのか、という疑問も残るが皆同じ気持ちだったからや。 大隈は選択をミスったらこうなるのか、と怯えた目で見ている。 『っお前!バカ!!』 叫んで椿は搭乗口に行ってしまった。 別れを惜しむ暇もなかった。
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