260人が本棚に入れています
本棚に追加
西池 佑介
「ほな、帰ろか」
藤村くんの声でようやく皆ぐったりしながら帰路についた。
「何でやろぉ…どこで間違ってもうたんやろぉぉぉ…」
どこで、と言われれば昨夜『椿君に景気よく花束をバッサーあげたい!』と言ってうちの店に飛び込んできた時からやろう。
まぁ、仕事やし?
俺も売り上げになるし、『朝用意したるわ』って売った訳やけども。
椿君には絶対ジャマやなってのもわかっとったけど、仕事やし。
「渡すタイミングが悪かったかもしれへん…いや、もっと早くから準備してればアパーチー…ブツブツ」
タイミングの問題でもないけどな。
「隆盛、その乾物その辺にほったらかさんとちゃんと持って帰れよ」
「乾物って!干物扱いせんとってよ!
え、干物?アパーチー!」
「うるさい!!アパーチーって何!!」
結果あいつのサプライズは1個も成功してへんけど、腹立つから搭乗口に向かう椿君が俺の腕の中から1本だけバラを抜いて言ったのは教えてやらん。
絶対にや。
最初のコメントを投稿しよう!