旅立ち

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西池 佑介 「ほな、帰ろか」 藤村くんの声でようやく皆ぐったりしながら帰路についた。 「何でやろぉ…どこで間違ってもうたんやろぉぉぉ…」 どこで、と言われれば昨夜『椿君に景気よく花束をバッサーあげたい!』と言ってうちの店に飛び込んできた時からやろう。 まぁ、仕事やし? 俺も売り上げになるし、『朝用意したるわ』って売った訳やけども。 椿君には絶対ジャマやなってのもわかっとったけど、仕事やし。 「渡すタイミングが悪かったかもしれへん…いや、もっと早くから準備してればアパーチー…ブツブツ」 タイミングの問題でもないけどな。 「隆盛、その乾物その辺にほったらかさんとちゃんと持って帰れよ」 「乾物って!干物扱いせんとってよ! え、干物?アパーチー!」 「うるさい!!アパーチーって何!!」 結果あいつのサプライズは1個も成功してへんけど、腹立つから搭乗口に向かう椿君が俺の腕の中から1本だけバラを抜いて言ったのは教えてやらん。 絶対にや。
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