Honeys開店

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「ここの席の間にあった方がええかなぁって。」 仕切り程やないけど隣とちょっと距離おける気がして。 「じゃあちょっと背がある方がええかな。 どんなん希望?」 「何か、しゅっとしたやつ!」 「…お前後で見に来い。」 観葉植物の種類なんて知らんもん。しゃあないやん。 俺のざっくりしたイメージに呆れつつも見立ててくれるらしいから、夕方顔を出すと約束をした。 そして夕暮れ時に向かいの花屋に足を運ぶ。 そこで1人の女の子に目を奪われた。 夕日に透ける薄茶の髪をなびかせて、膝上丈のスカートを握りしめ俯いていた。 花屋の前でほんのり頬を赤くしてもじもじする子。 佑ちゃんがニヤニヤしながらその子と二言三言、言葉を交わして手早くミニブーケを作っとる。 足元の花を覗きこんで、さら、と揺れる髪を押さえ、尚も俯きがちのその姿から目が離せない。 グロスが控え目に塗られた唇を噛んで何かを堪えるように頬を染める彼女に一瞬で心をさらわれとった。
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