プロローグ

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そうして迎えたテストの最終日。 不覚にもその日ケータイを持って行ってしまった俺はしっかりと電源を切った。 夏の昼下がり窓の外では蝉が大合唱している カリカリカリカリ 教室では皆のシャーペンを動かす音が流れる 監視の先生も教壇で何やらパソコンに打ち込んでいる ふぅ、あと五分か。この数学のテストで最後だなやっと夏休みに入るか 見直しも終わり、静かにペンをおく 周りの人も大体終わっているようで寝たりぼーっといたりしている ブーッブーッ 突如静かな教室に規則的に響く携帯の着信音 寝ている奴も飛び起き全員が一斉に緊張する まあ、俺はしっかり電源を切ったから大丈夫だな 未だになり続ける携帯に先生が遂に立ち上がる あ~あ可哀想な奴。これは絶対に放課後に説教だな これから死ぬであろう人は誰かとじっと見ていると こっちにやって来る先生 ん、俺の近くか コツコツ静かに歩いて来る先生は俺の前で・・・止まった う、うそだろ俺は電源をしっかり切ったぞ 余りにもあり得ない状況に頭がフリーズする 監視の先生は俺のバックごと静かにとって行った。 「後で指導室に来い」 地獄への案内を共にね その後の皆の哀れむ視線が辛かった
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