学園と友達と

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……おかしい、うちのクラスだけ異様に静まり返っている、なぜだ。 他のクラスは朝HRの前ということでいつもと変わらない騒がしさだというのに、だ。 うちのクラスでゾンビでも出てくるんじゃねえか? くだらないことを考えながら扉を開けた。 ーーー成る程。寮でバルサの言っていたことの意味が大体わかったぞ。 そこには机に突っ伏したりゴミ箱に突っ込んでたり床に倒れこんでいたりとバラエティに富んだ動きをしている幾つもの屍が。 まともに立っているのは10人程だ。 ん、アイネスさんとバリスタさんは健在だ。 「何をどうしたらこうなった」 ドアを開けたまま、一人で疑問を呈しているとアイネスさんが答えてくれた。 「みんな食堂の場所が分からなかったみたい。どうやら、メモ書きが間違ってたらしく、誰一人として食堂にたどり着けなかったらしいの。フライキャット君は大丈夫なの?」 「まあ、簡単な料理ぐらいは出来ますから。って事は今死んでる人は全員夜と朝を抜いて来たのか」 二食抜きとか辛いだろうな 席について机に突っ伏しているクラスメートをつついて遊んでいると先生が教室に入ってきた。 「お前ら~席つけ~って、何でそんなにくたばってんだ?」 先生、あなたのせいですよ 「先生のメモ書きに書かれた場所、間違ってましたよ。おかげで皆さん、食堂に行けなかったそうです」 流石はアイネスさん。誰もが言えない事をしっかり言う。 学級委員長の職を全うしてますね。 「おお、わりぃわりぃ。すまないすまない」 ダメだこりゃ。 先生の責任感のなさにみんながずっこけた初夏の始まりだった。
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