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「なあ、どうしてみんなそわそわしてんだ?」
「さあ、何でだろうねー。あ、今日は用事が有るから先帰って」
「おう、じゃーな」
何の不審も抱かずに帰っていくバルサ。イケメンには関係ないからね。
よし、行ったいった。
場所は授業棟の裏手に有る旧講堂
普段は誰も居ないが今日は入口の所に3年生がたっていた。まるで王城の門番みたいだ。入口に近づくと門番さんが口を開いた。
「リア充には」
「監視を」
「超えし者には」
「制裁を」
「よし、入っていいぞ」
頭がスッポリ入る袋を手渡された。
目と鼻の場所は空いている。
「かぶっていけ」
「はい」
ちなみに今のは暗号みたいなもの。念話の時に伝えられたものだ。異端委員会の骨子とも言える。
中に入ると多くの生徒が。ただ、ほとんど真っ暗なのでどこに誰がいるかは分からない。
ライブの時みたいだ。
適当な場所で待つとしばらくしてステージに明かりが付いた。どうやら開会らしい、マントを頭まで被った人が出てきた。顔は見えないがめっちゃゴツイ、マントから筋肉の隆起がわかるほどだ。
あれが委員長か。
その上みんな入ってくる時から顔は隠してあるからまるで何かの秘密結社のようだ。何だか、KKKの集会のようだ。
「皆さん、今日はお集まりいただき有難うございます。今日は新しく入って来た一年生を加え、今後の方針を伝えておこうと思います」
声が通る人だな。おっ、人数が増えてる。
ステージには新たに9人の生徒が。見る所2.3年生のようだ。
「こちらが異端審査会執行部のメンバーです」
途端にあちらこちらでざわめきが広がる。フードを被っていたから気がつかなかったが、周りの人はどうも2、3年らしい。
ざわめきの様子から見て、とりあえず、メンバーはヤバい奴らのようだ。
「では、話に移りたい所ですが・・・どうやらこの中に生徒会の犬が2名紛れ込んでいるようです」
突然の重大発表にざわめく会員。顔が見えないので誰がスパイかわからない。
そもそも、顔を隠したこんなの暗闇のなかでどうやってスパイを見つけだすのだろうか。
誰もが疑心暗鬼に陥っていた。
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