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「助ければ、私を立派な召喚士にしてくれるの?」
『よかろう、しかし汝その為にこの命なき者に心臓を与えなければならん』
「心臓?」
『さよう、汝の心臓を与えれば、この者の命は救われる』
「私の心臓を………」
この時私は、召喚士にでも慣れればそんなことどうでもよかった
何故なら、私は魔法使いにも召喚士になり損ねたんだから
少女は決意した
「心臓あげます、だからこの子を……」
『汝の心臓はそやつに宿る、それは汝が選んだこと
汝の行く道に光があらんことを』
「ちょっと待ってよ!!なんのことだか私には………」
すると箱に入っていた紫色の煙りが飛び出した
そして、弓矢のような形に変形し、少女の右胸をドシュッと貫いた
「うっ!!」と少女が叫ぶと、少女の背中からバタリとそれが倒れた
少女は撃ち抜かれた右胸に触れた
「穴が空いてない!?」
確かに撃ち抜かれたはずの右胸はちゃんとそのまんまに残っていた
安心したのもつかの間、少女の心臓の鼓動は聴こえなくなっていた
心臓だけが盗られた。ただそれだけが言える
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