3人が本棚に入れています
本棚に追加
いきなり顔を近づけてきた彼に、ローランは顔を赤く染めながら、思わず彼の体を蹴飛ばしてしまった
「あ!!ごめんなさい!!」
体を起こしながら謝るローラン
蹴飛ばされた彼は、頭を撃ったのか、痛そうな表情を浮かべながら頭を擦っていた
「頭撃ったの?」
心配そうに駆け寄るローラン
「………別に何処も撃ってないよ」
真顔の状態で決して痛そうな素振りを見せない彼
ローランはホッと安心した。自分は力が半端なく強すぎとよく周りの人から言われてて、何度か家族や友達を投げ飛ばしたりしてしまったこともある
まさか思わずとはいえ、彼を蹴飛ばしてしまうなんて、ローランは小さい時から力をコントロール出来ない自分に悩みを持っていた
「本当にごめんなさい…」
ローランは何度も彼に頭を下げた
すると彼の表情は少しずつ変えていった
顔を見ると、今の彼はとても穏やかな表情だった。何故か謝ってるローランを見ている内に彼の表情が穏やかになったのだ
まるで呪いから解き放たれて喜んでいるような顔だった
私は彼のその顔に思わず看取れてしまい、無意識に口を開けてしまった
彼は私を見て、微笑みながらこう言った
「契約……してもいいんだな?」
それはとても誘惑に満ちた声だった
コクリと私が頷くと、彼は私の顔に迫ってきた
目と目が合ったまま、彼は私の口に深いキスをした。最初は戸惑った私だったけど、自然と彼を受け入れてしまった
そのまま彼に飲み込まれてしまうくらい深いキスを
私の中に心臓がない今、あった時の私はなら、どんなに鼓動を高まらせていたのだろうか
きっと気絶してしまうほど高まらせてただろう
口を離すと、彼の口から一つの言葉が漏れた
「契約完了」
最初のコメントを投稿しよう!