混沌と召喚士

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 いきなり顔を近づけてきた彼に、ローランは顔を赤く染めながら、思わず彼の体を蹴飛ばしてしまった 「あ!!ごめんなさい!!」 体を起こしながら謝るローラン 蹴飛ばされた彼は、頭を撃ったのか、痛そうな表情を浮かべながら頭を擦っていた 「頭撃ったの?」 心配そうに駆け寄るローラン 「………別に何処も撃ってないよ」 真顔の状態で決して痛そうな素振りを見せない彼  ローランはホッと安心した。自分は力が半端なく強すぎとよく周りの人から言われてて、何度か家族や友達を投げ飛ばしたりしてしまったこともある  まさか思わずとはいえ、彼を蹴飛ばしてしまうなんて、ローランは小さい時から力をコントロール出来ない自分に悩みを持っていた 「本当にごめんなさい…」  ローランは何度も彼に頭を下げた すると彼の表情は少しずつ変えていった 顔を見ると、今の彼はとても穏やかな表情だった。何故か謝ってるローランを見ている内に彼の表情が穏やかになったのだ  まるで呪いから解き放たれて喜んでいるような顔だった 私は彼のその顔に思わず看取れてしまい、無意識に口を開けてしまった 彼は私を見て、微笑みながらこう言った 「契約……してもいいんだな?」 それはとても誘惑に満ちた声だった コクリと私が頷くと、彼は私の顔に迫ってきた 目と目が合ったまま、彼は私の口に深いキスをした。最初は戸惑った私だったけど、自然と彼を受け入れてしまった そのまま彼に飲み込まれてしまうくらい深いキスを 私の中に心臓がない今、あった時の私はなら、どんなに鼓動を高まらせていたのだろうか きっと気絶してしまうほど高まらせてただろう 口を離すと、彼の口から一つの言葉が漏れた 「契約完了」
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