混沌と召喚士

3/8
前へ
/20ページ
次へ
遂に私は倒れた 力尽きて倒れた。もう杖を振る力など残ってはいない  お腹が空いた。よく考えてみれば、私は朝から何も食べてはいないんだ  乾いた地面にくっつく私 見えるのは、この世界の姿形だけ 十一年の人生だったけど、これは私にとって似合う死に方だ 夕焼け空に、うっすらと流れ星が瞬くその下で、少女は荒い息を絶てながら静かに息を引き取った  右手に持っていた杖は少女が死んだと同時に灰となって消えた 死んだ少女の亡骸に、キラッと一滴が流れ、やがて乾いた地面に音もなく落ちた それに呼応するかのように、小さな流れ星が少女の体を包み、少女の体は光となった
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加