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遂に私は倒れた
力尽きて倒れた。もう杖を振る力など残ってはいない
お腹が空いた。よく考えてみれば、私は朝から何も食べてはいないんだ
乾いた地面にくっつく私
見えるのは、この世界の姿形だけ
十一年の人生だったけど、これは私にとって似合う死に方だ
夕焼け空に、うっすらと流れ星が瞬くその下で、少女は荒い息を絶てながら静かに息を引き取った
右手に持っていた杖は少女が死んだと同時に灰となって消えた
死んだ少女の亡骸に、キラッと一滴が流れ、やがて乾いた地面に音もなく落ちた
それに呼応するかのように、小さな流れ星が少女の体を包み、少女の体は光となった
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