2人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、依頼とは?」
「こちらにございます、殿」
というおかしなテンションで資料を手渡す青年。男はそれを受け取り、ざっと目を通すとすぐに返した。
「しかしねぇ、テロ組織の鎮圧とかもう軍にやらせろよって話だよ。わざわざ高い報酬払ってウチにやらせなくてもさ」
そう愚痴る男に青年は苦笑しながら返す。
「まぁ、それがUCの仕事でしょうに。それが嫌ならあんな無理して国際独立遊撃部隊なんていう立場を築かなければ良かったんスよ、師鳥さん」
師鳥、と言われた男はため息を吐きながら出かける時に着るロングコートを羽織る。そして、自分の机の引き出しの中から 拳銃とサブマシンガンを一丁ずつ取り出し、コートのポケットの中に乱暴に突っ込んだ。
その様子を見ていた青年は師鳥に問いかける。
「あれ、師鳥さん行くんですか?別にご指名なわけでもあるまいし」
「あぁ…ここらで俺が動かないと外の連中に『あいつ絶対ヒモだぜ』とか言われかねないだろ」
それもそうですね、と同意し、青年も腰に下げた銃の弾を確認する。
「お?お前も行くのか総士」
「あー…ハイ、まぁ俺の持ってきた依頼ですし」
ん、と短く返事しながら部屋を出る。総士、と呼ばれた青年もそれに着いていく。廊下を歩き、屋外に出た二人を待っていたのはおっとりとした綺麗な女性だった。
「あ、師鳥さん、総士さん。お出かけですか?」
ゆったりとした口調の女性に、二人は挨拶する。
「あ、時野さん、ども。今から依頼ですよ」
「そういうことだ。留守番頼んだぜ時野琴美医療担当」
はーい、気をつけて下さいねー、とヒラヒラと手を振る琴美に二人とも手を振り返す。
最初のコメントを投稿しよう!