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寮の外は雪景色。
真っ白で、冷たくて…
とてもきれい
「雪、おはよう」
「おはよう」
「今日はいい天気だな」
「うん」
普通は雪の日をいい天気だなんて言うのはおかしいけど
どんな天気より雪の日が好き
だから、いい天気
「行くか」
「うん」
「ほら、手」
差し出された手を握ると、握り返してくれる
「あき兄は今日も仕事あるの?」
「あぁ、まだ終わってないのがあるんだ」
「そう……」
あき兄は風紀委員長だから仕方がないか…
と、一人で納得していると、不意に頭を撫でられた
「ぐしゃぐしゃになっちゃう…」
「ククッ……もうなってる」
「わ、笑わないでよ!」
笑いを堪えているあき兄
酷いよ。もう
「悪い
まぁ、どんな雪も可愛いから心配するな」
「……そういうことじゃなくて」
あまりにも楽しそうに笑うから怒る気も失せちゃったよ
「……」
手櫛で髪を適当に直す
「はぁ………寒い…」
「あき兄は雪、寒いから嫌い?」
「好きだよ。雪も“雪”も」
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