episode.1

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チュッと可愛いリップ音を立てて何かが頬から離れる 「冷たいな」 「……」 何故頬だったんだろうて多少不満に思いつつ、キスされた頬を手で押さえる 「………………」 ―――― ―――――――― ――――― ―――――――――――― ――――― ―― 1-S組とゴシック字で書かれた札は無駄に豪華だ 「…………」 綺麗な教室。新品の机と椅子 この学園は無駄にお金をかけすぎだと思う 「み・か・ぜー!」 そして、この人は無駄に五月蝿い 「………」 「おはよう!」 朝からすごく五月蝿い なんでそんなに元気なのかがわからない 「美風っ!」 「………」 「おはよう!」 毎日毎日しつこい 「はぁ………」 「おーはーよーう!」 ボクよりも大きいのに犬みたい 豆柴とかそこらへんのやつ 「…………」 「美風ってばー」 「………………おはよう」 「うんっ、おはよ!」 しつこい。かなりしつこい。 はっきり言わなくともウザイ 「美風、本好きだね」 「………………」 何で僕に話しかけるの。 一人にさせてよ。集中出来ない
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