それは、突然、嵐のように…

2/17
162人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
ーーーーーーーーーーーーー 件名:なし ーーーーーーーーーーーーー 本文: ごめん 守りたい人が出来たんだ お前なら、一人でも大丈夫だろ ーーーーーーーーーーーーー 「………」 学生時代から3年半付き合った彼が、忽然と姿を消した。 どうやら、他に好きな人が出来たらしい。 …で、何故このタイミング? 某お嬢様タレントデザインの、真っ赤な本振袖に身を包んだ今の私は、さぞかし滑稽だろう。 彼が選んだ、花嫁衣装。 白無垢よりも、こっちの方が私らしいと言って… 今頃列席者たちは、今か今かと新郎新婦を心待ちにしているはずだ。 だが、しかし… 新郎は式場には現れない。 とゆーか、現れるつもりもない。 ドラマでよくあるよね… ウェディングドレス姿の綺麗な花嫁を、颯爽とかっさらっていくイケメンな恋人…。 でも私の場合は違う。 ウェディングドレス姿でもなければ、かっさらってくれるイケメン恋人もいない。 あ、でも。 自分で言うのも何だけど…容姿には自信がある。 大きな猫目に小さな顔。 170センチの細身で脚長、小尻。 胸だってそこそこあるし、学生時代はモデルのバイトをしていた。 モテたかどうかはわからないけど、彼氏がいなかった期間は、ほぼない。 でも… いつも私がフラれる。 で、その時の決まり文句がコレ。 【お前は一人でも大丈夫】 アホか。 1人で大丈夫なら、彼氏なんか作らんわ。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!