嫌う理由 2

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** ふわふわと浮いているような気分だった。 終わりのない星空の中にいるような、地面に足が付かない感覚。 それはとても不安な気持ちになる状況だった。 「兄さん……?」 呟いた一言は、響くことなく下へ落ちていく。 澪梨は久し振りに夢を見ているのだと思った。 目を覚ます一歩手前の、頭がぼんやりした状態で澪梨は考えていた。 (兄さんの気配を感じて、西公園に……) 西公園での光のパフォーマンス。色とりどりのライトに照らされるレインコートの子供。 (兄さんと、瑞稀と慎也。何故一緒に? 僕はそこへたどり着いた……) 段々と覚醒していく脳が、何かを思い出した。 身体が震える。目を開けたくなかった。 現実を見るのが怖くなったのだ。 まだ夢の中にいた方がマシだ。一人でいる方が、何も知らない時の自分の方が……。 「澪梨、大丈夫だ」 その時、誰かの手が澪梨の手を握る。 それはよく知った体温だった。 「……兄さん」 「怖い思いをさせたな。身体は平気か?」 ゆっくり目を開けて 見えた飛鳥の顔を、なんだか懐かしく感じてしまう。 澪梨は飛鳥の無表情が、それでも微笑んでいるつもりなのを知っていた。
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