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「中等部からこの時期に毎年あってるんやけどな、椎名はなかなかエグいで」
生徒を病院送りにした生徒。
連携プレイが必要不可欠なこの行事で、今までどういう戦い方をしてきたのか、そして今回の攻略法を考えておかねば、と瑞稀は頭の中で思考を巡らせる。
「パートナーと連携しようなんて、最初から思ってないんだよ、椎名は。一人で追っかけ回して、パートナーは放置して」
結局一人の力で捕まるわけないんやけどね、と彰は付け足した。
「……じゃあ、澪梨とまず連携を取れるようになっておかないと。あと1ヶ月、短いなあ」
瑞稀は先を思いやる。
数週間前までは、瑞稀こそ一人で戦っていたのだ。今までの自分を見ているようだった。――というより、実を言うと今も完全には周りを信じられないし、連携をとるのも少し怖い。
慎也と彰が心配そうに瑞稀を見る。
「ま、仲良くなってた方が学校生活楽しいだろうし。鬼ごっこだけが目的じゃないにしても、やるだけやってみようかな」
対する瑞稀は不安は見せずに笑顔で返した。
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