始まりはいつも唐突に

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始まりはほんの些細な一言だった オルカ「……この世界の冥界ってさ、大して怖くないよぬw」 ある夏の日、クーラーの程良く効いた部屋でソファーに寝転ぶ魔王の放った一言 仰向けの彼の頭上に開かれるのは人間達が想像で描いた死後の世界の特集が組まれた雑誌。ボーッと眺めているだけのように見えて案外きちんと読んでいたらしい しかし普段なら何も問題の無いこの一言も ロキ「……何だと?」 同室に一人の冥王がいるだけで事情が随分と変わってくる ロキ「それはどういう意味だ、オルカ」 オルカ「どうって……まんまだけどw?」 特に悪意の無い言葉でも相手に寄れば嘲笑の意となる 普段からコスプレなどを愛するせいかイメージというものを非常に重要視する冥王ロキにとっては、今の彼の笑顔さえもが宣戦布告のそれに見えた ロキ「……そうか、まんまか」 オルカ「?うん」 ロキ「…………」 オルカ「……?どうかしたのかお?」 ロキの不自然な沈黙に、何気ない雑談程度に会話をしていたオルカもさすがに疑問に思い始める ……が、 ロキ「そうか……ならば肝試しだ!」 オルカ「……は?」 ロキ「今日の夜10時に冥界の『霊哭館』に来い!本当の冥界の恐ろしさというものを見せてやる!」 オルカ「いやどうしてそうなr」 ロキ「逃げ出したりしたら問答無用で死をくれてやるからな!必ず来いよ?友達誘っていいから必ず来いよ?」 オルカ「友達は誘っていいのかよw」 ロキ「独りで肝試しは寂しいだろう?それに、霊哭館は所謂モノホンのスポット……万が一はないとは思うが一応、な」 オルカ「え、ちょw何不吉なこと言って」 ロキ「まあそういうことだから必ず来い。友達誘って来い。大丈夫、怖いとはいえ誰もいないハズの部屋から二人の男の喘ぎ声が聞こえたりテレビから髪の長い阿部さんが這いずり出てきたり入ったが最後二度と出て来られなくなるぐらいだ。危ないことにはならない」 オルカ「いや充分危ねぇよ!?Σ色んな意味で!」 ロキ「大丈夫だ問題ない」 好き勝手にマシンガントークを行った後、冥王は颯爽と窓から去り 後にはいつもの如くブンブンと振り回されるだけ振り回され放置された一人の魔王が残るのであった
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