零:メモリーエンプティ

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零:メモリーエンプティ

……ここがどこだか俺には分からない。 俺がなんなのか、俺にはまったく分からない。 それはそうか。今の俺には記憶というものがなんにもないのだから。 いや、一つだけ、覚えているものがあったな。それは、名前。 ただ、本当に「名前」しか分からない。それは、「コウ」という、名前だけ――
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