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最後の日。
「己の背負う責任や重圧を、放棄したくは無いんだ」
そう言って俺は、逢瀬に使っていた資料室の扉を閉めた。
これで良かったんだ。
何度もそう自分に言い聞かせ、今すぐ資料室に戻って彼にすがり付きたいという衝動を抑え込む。
触れたら引き返せないと思い、キスすらさせなかった。
いや、手を握るだけでも胸が張り裂けそうになってしまったから、これで良かったんだ。
「愛してる、こー」
俺の想いは募る一方だけども、これで良かったんだ。
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