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仕事を終え、帰宅して間もなくチャイムがなる。
ドアを開け広斗と会話をし、隣に立っている男に視線をやる。
『倉田英司です。』
差ほど男前ではないが、礼儀正しく清潔感のある、極めて好印象な奴だった。
室内に招き入れ、少しすると澄香が来た。
簡単な顔合わせを終え、いつもの飲み会がスタートした。
澄香は料理を振る舞い、それをつまみながら他愛もない話しに花を咲かせる。
ふと英司を見る。
その目は澄香を追っていた。
惚れたか?
まあ無理もない。
澄香は、いい女だ。
俺が惚れた唯一の女。
だからこそ誰にも渡すつもりはない。
見せつける様に澄香との距離を詰める。
そうこうしているうちに、澄香が帰ると言い出し、玄関へと送る。
やっと二人きりの空間。
そっと後ろから抱き締め、口付けを交わそうとした所で現れた英司。
慌てて離れた澄香を寂しく思うも、澄香を送っていくと言う英司に賛同した。
心配がないわけじゃないが、俺と澄香の信頼関係を見せ付けたい
そんな思いが後押しした。
澄香なら大丈夫。
何があっても俺の側から離れなかった。
そう、心の中で呟き送り出す。
鍵を掛け、広斗がいるリビングに戻った。
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