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『わかった。うん。じゃあね。』 耳元に当てていた携帯を下ろす。 またか・・・。 いつもの事ながら、つい溜め息が滑り落ちる。 もう何度目かわからないドタキャンに、もう怒りさえ沸かなくなってしまった。 私、早川澄香 32歳 独身。 小さいながらも雑貨店を経営している。 主にキッチンアイテムや木製のインテリア雑貨を扱っている。 元々、母が凝り性の人でキッチンアイテムを揃えていたのがきっかけ。 熱く語っている姿を冷ややかに見ていたものの、いざ一人暮らしを始めると思いの外、 統一されたキッチンはインテリアにも見える事に気付き、夢中で集める様になってしまった。 流石は親子。 血は争えないもんだ。 そして働いていた会社を辞めて、一から学び今のショップを持つことが出来た。 苦労も多いけど、やっぱり好きなものに囲まれて接する職場は楽しい。 展示会があれば、すぐ足を運んでいる。 ただ、仕事は順調でもプライベートになると話は変わってしまう。 どちらもなんて上手い話なのかな。
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