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『翔。お前に報告があるんだ。』
戻って直ぐに、珍しく真面目な顔をしている広斗に問い掛ける。
『報告?』
『ああ。俺、麻衣と結婚する事にした。』
澄香と出会った合コンに来ていた澄香の友達。
偶然にも、広斗も麻衣ちゃんに一目惚れして付き合いだした。
まあ俺は麻衣ちゃんに嫌われてるけど。
だから、さっき俺と澄香は結婚しないのかって聞いてきたのか。
先程のやりとりを思い出す。
『そうか。良かったな。おめでとう!』
照れくさそうに頷く、広斗をに酒を勧める。
もう一度グラスを合わせ、喉に流し込む。
『お前、本当に澄香ちゃん大切にしろよ?』
徐に口を開いた広斗に、苦笑いを零す。
多分、澄香から俺の話しを聞いた麻衣ちゃんが、広斗に話したのだろう。
『大切に思ってるよ。俺だって今年中には澄香との結婚を考えてるし。』
『マジで?』
『マジで。』
そう、俺らもそろそろって本気で思ってる。
ただ最近、そういう類の話になると、澄香は話しを逸らすのが気になっているけど。
『そうか。なら安心した。次は翔の番だな。』
『だな。』
そう言って、浴びるように酒を煽り、結局その日広斗は泊まっていった。
こんな事するのも無くなるんだなと思うと寂しくも感じる。
でも、広斗に触発されたせいか、澄香との未来を強く考える様になった。
結婚するなら澄香以外には考えられない。
そんな事を思いながら、眠りについた。
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