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一通り行為が終わると次には睡魔が襲ってくる。
昨日から寝てないせいなのか。
それとも、隣に澄香がいる安心感からなのか。
もうどちらでも構わない。
ただ、やはり俺には澄香が必要で、澄香しか欲しくないということ。
それなのに澄香は俺を拒絶する。
本当は澄香が英司に心が揺れたとしても、結局俺を選ぶと思っていたし、
結婚だって話せば、少なからず喜ぶと思っていた。
全部、独りよがり。
でもどうしても、澄香を手放す事は出来ない。
こんなに大切なのに。
こんなに愛してるのに。
何故、わかってくれない?
何故、泣かす事しか出来なくなってしまったんだろう。
付き合い当初の澄香の笑顔を思い出す。
柔らかく、目を細めて笑う表情が好きだった。
ごめんな。
澄香が泣いても、嫌がっても俺は澄香じゃなきゃ駄目なんだ。
離してなんてやれない。
未だに澄香は泣いていたが、その体を抱き寄せ、静かに目蓋を降ろした。
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