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そんな私の様子に気付いたのか、両手で頬を包み込み、英司が顔を覗き込む。 『一緒にいよう。澄香だけが選んだ訳じゃない。俺も澄香を選んだんだ。 澄香の重荷を俺も背負うから、二人で幸せになろ?』 我慢してた涙が滑り落ちる。 『私・・幸せに・・・なっても・・いいの?』 濡れた頬に、指で拭いながら、英司の優しい声が届く。 『うん。俺の彼女になって。澄香、ずっと一緒にいよう。』 頷きながら、英司の背中に腕を回す。 それを受け止めるように抱き締めてくれた。 私の涙が止まるまで、英司の胸の中に収まっていた。 漸く落ち着いた頃、英司が立ち上がり、ケージの方に向かっていく。 振り向きながら口を開いた。 『澄香、レインが待ってる。』 そういえば、翔から連れ出された時、ケージから吠えてくれてたっけ。 急いで駆け寄ると、レインが尻尾を勢い良く振りながら、見上げてくる。 『レイン!心配かけてごめんね。』 抱き上げると、顔を舐めてきた。 レインをソファーに降ろし、撫でていると頭上から、からかうような声がしてくる。 『澄香、その格好もそそるけど、これ履いたら?』 英司の言葉に、自分の姿を見て我に帰る。 今着ているのは英司から借りたシャツだけ。 男物のシャツだから大きいが、それでも太ももの半分ぐらいは出ている。 辛うじて、下着を付けていて良かった。 真っ赤になりながら、英司の差し出したスウェットを受け取り、慌てて寝室に駆け込んだ。 後ろから英司が笑っているのを聞きながら。
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