260人が本棚に入れています
本棚に追加
/237ページ
自宅に着き、買ったものを冷蔵庫にしまうと直ぐに、浴室へと向かう。
今年は本当に蒸し暑い。
ベタつく肌を早くすっきりさせたくて、温めのシャワーを浴びる。
こんなうじうじした私の心も、一緒に流れちゃえばいいのに。
それが出来たら誰も苦労しないんだろうけど。
思わず苦笑いを浮かべながら、サッサと済ませリビングに戻った。
つまみはいらない。
冷蔵庫に入れたばかりのワインを取り出し、グラスに注ぐ。
濡れた髪もそのままに、付けたテレビを見ながら、口に運ぶ。
フルーティーな味わいに、思わず笑みが零れる。
美味しい。
調子に乗って気付くと1本を空けてしまっていた。
時刻は23時。
軽い酔いを感じながら、少し早いがベッドに潜り込む。
休みの前日に、彼氏にドタキャンされ、一人で飲んでほろ酔い気分のまま、眠りにつくなんて、
他人から見たら淋しい女と思われるのかな。
でも、ここ数年淋しいとか虚しいなんて気持ち、感じたことは無いんだ。
だって私はズルいから。
それに、そんな感情なんて何の役にもたたない。
そんなもんだろって思えば、幾らでもやれるのだから。
そろそろ、本気で眠たくなってきた。
次第に重くなってくる目蓋をそのままに、深い眠りへと落ちた。
最初のコメントを投稿しよう!