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……
少し間をあけて
『いやいや、うちのカミさんが人妻だったんだよ。青アザが絶えなくてね。可哀想で助けてやりてぇって思ったんだな。若気のいたりよ。それで責任取って結婚したけど、大変だったよ。色んな人に迷惑かけたよ』
と 言い、
続けて
『佐城さん、悪い事は言わないから人妻は辞めときなよ』
と店主将彦は柚多夏に念を押し、
『でも、うちは幸せだよ。自分達のせいで傷付けた人達がいる分、幸せにしなきゃ、大事にしなきゃなと思って、自分も幸せになんなきゃなって、目標を持って頑張れた』
と 店主将彦は言いました。
二人に背を向けていた希春は店主将彦の真面目な話しに自然と前を向き、店主将彦の方を見て話しを聞いていました。
…視線を感じ
その視線の先に
希春も無意識に自然と目線が行きました。
視線の先は柚多夏でした。
柚多夏はじっと確かめる様に希春を見ていました。
そして驚いていました。
希春と目が合うと柚多夏は気不味そうに視線を逸らしました。
…バレたな…
希春は心の中で呟きました。
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