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その梯子を上り、木の板で出来た出口を押し上げる。
そして外に出ると、少し肌寒い夜風が体をなぞる。
「ここは……」
振り返ると、城壁がすぐそこにあった。
どうやらここは城壁の外、城の裏側に位置している。
そして街の外でもあった。
目の前にはたくさんの木々が広がっている事から、ここはゴブリンやウルフがいるあの森だとわかる。
遅れてアリサとリアが出てくる。
「外だぁ」
城から抜け出したという罪悪感が気持ち良いのか、リアは深呼吸をする。
「……ここには魔物がいないのか?」
心配になり、アリサに訪ねると、大丈夫ですよと答えた。
そして続けて言葉を紡いだ。
「魔除けの鈴があるので心配ご無用です」
「魔除けの鈴?」
「はい。これです」
そう言ってポケットから鈴を取り出すアリサ。
鈴だ。
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