奔放勇者の孤独旅

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ただの鈴にしか見えないそれの中には特別な鉱石が入れられており、それによって奏でられる音を、魔物は嫌うらしい。 ただし、弱いモンスターに限られるらしい。 魔除けの鈴の力をあまり知らない俺はそれを過信するのはよくないと考え、この秘密の抜け道から離れずに話す事にした。 「流れ星ないかなぁ」 草むらの上に座り、3人で星を眺めていると、不意にリアが呟いた。 「こちらの世界でも流れ星に願い事をするまじないのようなものがあるのか?」 「はい。流れ星を見ながら一緒にいたい人を思い浮かべると、その人とずっと一緒にいられるというものです」 「へぇ」 ……それって家族として一緒にいられるのではなく、夫婦となる事で一緒にいられる、という意味なのではないのか? そう思ったが、それを問うのは無粋というものだ。
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