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実はあまり怒っていなかったリアは、再び流れ星を探すべく、夜空を見上げる。
「ソラ様」
「なんだ?」
「もし辛い事があって、挫けそうになったり、疲れたり嫌になったりしたら、いつでも帰ってきて構いませんから」
不意にリアに言われたその言葉は、俺の胸の中に溶け込んだ。
そして幾つもの感情が沸き上がり、その中でも最も大きかったのは──
「リアのくせに生意気だな」
「え、えぇッ!?」
その言葉に驚き、慌てふためくリアの頭をワシャワシャと撫で回す。
「あぅあぅあぅ」
頭を振られる度に情けない声を出すリア。
そして俺は手を止めずに、独り言のように呟いた。
「その時は頼むな」
リアに聞こえるか聞こえないかわからないぐらいの声量だったが、リアは聞き取っていたらしく、「はい!」と元気良く答えた。
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