奔放勇者の孤独旅

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その様子を傍目から見ていたアリサは、口元に手を当ててクスクスと笑っていた。 日の出ている内は気持ちの良い暖かさだが、夜になると結構寒いのが春の悪いところだ。 まあ、何が言いたいのかというと── 「すぅ……冷えてきたな」 ブルッと体が震え、一気に気温が下がったかのように寒くなってきた。 「そうですね。風邪をひいてしまっては旅に支障が出てしまいます」 中に戻りましょうかと続け、アリサは立ち上がり、リアの手を引いて立ち上がらせる。 名残惜しそうにしているリアの頭をポンポンと叩くと、満面の笑みを見せて来た道へと俺達を引きずり込むのだった。 その後、リアのマシンガントークが再び続いたが、疲れたのか、ウトウトし始めたと思ったらすぐに眠ってしまった。 中々の台風娘だ。
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