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「そうそう31人で思い出したんだけどよ、実は勇者は全員で32人なんだよ」
「本当か?じゃあその1人は訓練が嫌で逃げ出したのか?」
「いや、それが1人で街の外に行ってモンスターを狩っていたんだ。けど街に戻ってきた頃には血塗れでさ、詳しくは聞けなかったんだけど、ゴブリンを47体、ウルフを3匹殺したらしいんだ」
「へぇ。あの勇者様御一行に比べたら中々骨があるじゃないか」
その会話を最後に、2人は宿舎へと戻っていった。
話の内容は酷いものだったが、騎士達がああ言ってしまうのも無理はない。
僕達はおとぎ話のような格好良い勇者じゃないのだから。
そして今日いなかった1人とはどう考えても春野のことだ。
彼とは小学生の頃から同じ学校だが、まともな会話をしたことは1度もない。
それどころかいつも物事に興味がないような目をしている。
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