奔放勇者の魔力性質

25/40
前へ
/576ページ
次へ
「そうそう31人で思い出したんだけどよ、実は勇者は全員で32人なんだよ」 「本当か?じゃあその1人は訓練が嫌で逃げ出したのか?」 「いや、それが1人で街の外に行ってモンスターを狩っていたんだ。けど街に戻ってきた頃には血塗れでさ、詳しくは聞けなかったんだけど、ゴブリンを47体、ウルフを3匹殺したらしいんだ」 「へぇ。あの勇者様御一行に比べたら中々骨があるじゃないか」 その会話を最後に、2人は宿舎へと戻っていった。 話の内容は酷いものだったが、騎士達がああ言ってしまうのも無理はない。 僕達はおとぎ話のような格好良い勇者じゃないのだから。 そして今日いなかった1人とはどう考えても春野のことだ。 彼とは小学生の頃から同じ学校だが、まともな会話をしたことは1度もない。 それどころかいつも物事に興味がないような目をしている。
/576ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15024人が本棚に入れています
本棚に追加